イベントレポート

2013.03.14(木)

超小型モビリティこれからのモビリティ社会を先行体験発表会

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雪の舞う2月19日、たまプラーザテラス・ステーションコートにて「超小型モビリティ これからのモビリティ社会を先行体験 発表会」が開催されました。超小型モビリティとは軽自動車よりもコンパクトで、環境性能に優れた1人〜2人乗りの車のこと。次世代の交通手段として注目され、国土交通省が主体となって全国で走行実証実験が行なわれています。今回の実証実験はスマートコミュニティ推進部会のメンバーでもある横浜市、東急電鉄、日産自動車、が国土交通省と協力し、東急田園都市線沿線エリアで生活する子育て層を対象に行なわれるものです。モニターに応募して選ばれた7世帯に、19日から2週間、実際の生活で超小型モビリティを利用してもらい、ライフスタイル、交通、日常生活に起こる変化について調査します。

多くの期待を集める超小型モビリティ

天候が悪い中、発表会には関係者やメディアが多数集まりました。道行く人たちも、初めて見る乗り物が気になっている様子で、超小型モビリティの注目度の高さが伺えました。まず、国土交通省 自動車局 環境政策課の星明彦様よりご挨拶がありました。 「共生社会を実現する上で必要になる新しい車のあり方、それが超小型モビリティだと思います。今回は特に、子育て層が対象ということで非常に注目しております。国土交通省としては、この成果を全国に広げて、これからの社会づくり、個性のある地域づくりが円滑に進むよう、努力して参りたいと思います」

続いて、横浜市建築局企画部長秋元様、東京急行電鉄株式会社都市開発事業本部企画開発部統括部長東浦様、日産自動車株式会社ゼロエミッション事業本部ZEV企画グループ主管横田様よりそれぞれ挨拶がありました。 「たまプラーザ周辺は階段や坂が多く、次世代郊外まちづくりワークショップの中でも、まちの課題としてよく挙げられています。今回のモニター調査で、そういった点についても解決の糸口が見つかるのではないかと期待しています(秋元)」
「たまプラーザ駅周辺にいると何も問題がないように見えるかもしれませんが、開発して50年近くが経ち、インフラの老朽化や高齢化といった問題が起きています。今回の実証実験で、モニターのみなさんから多数のご意見をいただき、超小型モビリティなどが早い段階で地域住民の足となってくれることを期待しています。(東浦)」
「超小型モビリティをコンセプトカーとして発表してから2年近く経ちます。その間、全国各地で走行実証実験をやらせていただきましたが、普段の生活の中で2週間使っていただくのは今回が初めてです。どんなフィードバックがいただけるのか、大変楽しみにしております(横田)」

たくさんの人に見送られ、公道を走行

最後にモニターの方々を代表して美しが丘にお住まいのSさんよりご挨拶がありました。Sさんは食に関する仕事をしている関係で環境に関心をもつようになりました。新しいものが好きなことと、電気で動く小さな車に実際に乗ってみたいという思いからモニターに応募。子どもの送り迎えや食材の買い出しなどに利用する予定です。「石油エネルギーは限りがあるものなので、こういった小型のEV車が実際に活用されるようになればいいですね」とSさん。予想以上に運転がしやすく、急発進することもないので安全性が高いと感じているそうです。 フォトセッションの時間を挟んで、いよいよモニターの方々が乗り込んで車両出発式です。ステーションコートを出て、たまプラーザ駅周辺の公道を走ります。近くで見る超小型モビリティは軽自動車をふた回りほど小さくしたもので、窓やドアがないのが特徴的でした。走り出しても音はとても静か。公道に出ると、周囲を走る車と較べてその小ささがひときわ目立ちます。

まちづくりを考えるとき、必ず出てくるのが交通手段の問題です。今回の実証実験の成果は「次世代郊外まちづくり」の検討にも生かしていくことになっています。うまく活用されれば環境負荷の少ない、よりよいまちづくりに繋がっていきます。具体的な未来を示すきっかけになるであろう実証実験に、期待が高まります。

 

日産自動車株式会社横田様のコメント

各地で行なわれている実証実験での市民の反応はいかがですか。
いろいろな反応がありますが、乗りやすい、便利、楽しいといった意見を多くいただいております。

今回は子育て層対象のモニターということですが、何か理由があるのでしょうか?
この車を構想した時のターゲットのひとつがまさに子育て層だったんですね。それが今回実証できるということで、我々も非常に楽しみにしております。

この超小型モビリティに対してどのような期待をお持ちですか?
子育て層以外にも、いろいろな使い方があると思っています。たとえば横浜市なら、公共交通機関を補完するような形でのカーシェアや観光スポットをこの車で巡るということが考えられますね。使いやすい形で街に溶け込んでいってもらいたいです。

まちづくりと超小型モビリティの関係性はどのようにお考えですか。
車だけでも充分新しい価値を見出していただけるとは思うんですが、駐車スポットの問題やカーシェアの仕組みなど、まちづくりと一緒に進めていくことで、より一層価値が上がって身近な存在になると思っています。まったく新しい乗り物ですから、社会的な基盤の整備は重要ですね。

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