• HOME
  • >
  • イベントレポート
  • >
  • 地域連携プログラムの一環として美しが丘中学校2年生による「職場体験」に9つの職場を紹介しました

イベントレポート

2016.02.24(水)

地域連携プログラムの一環として美しが丘中学校2年生による「職場体験」に9つの職場を紹介しました

420270

冬の冷たい空気の中に、暖かい陽射しが降り注いだ1月15日、美しが丘中学校2年生による「職場体験」が実施されました。

次世代郊外まちづくりでは、次世代のまちづくりを担う人材育成を目的に、「地域連携プログラム」に取り組んでいます。これは、地域の多様なリソースが連携・協力することで相互発展していくまちづくりの取組みです。これまで、まちの現状や歴史、人々の想い、仕事など、ハードとソフト両面からの学びの機会の提供を目的に、これまでもAOBA+ARTと連携した「アオバアートゼミ」や「街のはなし・インタビュー」を実施してきました。また並行して美しが丘中学校の生徒たちは、そこで得られた知見も踏まえ、夏休みの課題として「明日のわがまち新聞」の制作などを行いました。

「職場体験」とは、仕事をとおして社会を知るために毎年実施されているものです。中学生が近隣の約50ヶ所の協力企業を訪れて、実際に地域の職場で働くことを体験する中、次世代郊外まちづくりでは、スマートコミュニティ推進部会に関連する企業を中心に、地域連携プログラムの一環として9つの職場を紹介いたしました。

職場体験を通じて働くことの楽しさと大変さを学ぶ

東急田園都市線「鷺沼駅」では2名の生徒が駅係員を体験しました。働くこと、大人になるということについて、駅長からの講話のあと、駅係員と共に実際にホームに出て、線路上の指さし安全確認や、鷺沼駅止まりの電車の降車案内、ホームの清掃などを体験しました。電車の運行は、少しの遅れを戻すのに多くの時間かかるそうで、常に時刻表を確認しなければなりません。「もっと華やかな仕事かと思っていたけれど、秒単位で同じ作業を繰り返していて、すごく地道な仕事だと思いました」「とにかく寒かったし、大変でした…」と、ふたりとも仕事の大変さを痛感したようです。

「たまプラーザテラス東急ストア」では、3名の生徒が食品の品出しを体験しました。男子生徒は加工品と飲料、女子生徒は野菜の品出しです。ジャージにエプロンをつけ、もくもくと作業をする姿は、真剣そのもの。店員さんがついて、いろいろとフォローしてくれていましたが、言われなければ中学生とわからないほど、しっかりと仕事をしていたのが印象的でした。

続いて、3名の生徒が伺ったのが、東急百貨店たまプラーザ店の食品売場「デイリーマート」です。一つひとつの売場の説明をしてもらった後、お菓子売場の品出しを体験しました。賞味期限の早い商品が手前にくるように、棚の商品を1度全部出してから新しい商品を置いていくなど、細かい配慮があることを知り、緊張しながら作業をしていました。中学生だと気づかずお客さまに質問されることもあったそうです。「答えられるものもあったけど、答えられないものもあって、大変だと思いました」「普段は買う側としてお店にきているけど、いつでも飲み物やお菓子があるのは、働いてるたくさんの人が商品を出したりレジをやってくれているからだということがよくわかりました」

同じく東急百貨店たまプラーザ店の「別館スポーツプラザ」では2名の生徒が売場での接客やバックヤード業務を体験しました。「はじめは “いらっしゃいませ”と言うタイミングがわからなくてすごく緊張しました」というふたり。お客さまが購入した洋服をたたんで袋に入れたり、商品をきれいに並べたり、値札をつける作業をしました。「お客さまが見やすいように服の前を左側にしたり、左は暖かい色で右には冷たい色を並べるとか、そういう工夫も教えてもらって、新しい発見がありました」

地域で働くことを知り、地域の暮らしを見つめ直す

たまプラーザ テラスでは「館内物流」「施設警備」「インフォメーション」の3つの職場を体験しました。

館内物流には、3名の生徒が参加。館内物流は、荷物を持って店内を移動することもあるため、おしゃれな制服が用意されています。白シャツにベージュのハーフパンツ、そしてベレー帽に着替えた3人を、従業員のみなさんが暖かく出迎えてくださいました。荷物の積み降ろしや機器を使った伝票発行、インカムでの連絡の取り合いなど、実際さながらの作業をこなします。最後には、制服姿で記念撮影もしたそうです。「大きな荷物を持ったりするのが大変でした」「楽しかったです。ただ仕事を学ぶというだけじゃなくて、人との関わりというものを学べたと思います」

同じくたまプラーザ テラスの施設警備は、3名の生徒が体験しました。まずはAEDの使い方や心臓マッサージの仕方を教えていただきました。その後、担当の社員の方と、館内巡回に出かけます。ただ歩くだけではなく、どこにどの店舗があるのか、消火器はどこにあるのかなど、覚えなければいけないことがたくさんありました。電球の切れている箇所はないか、ゴミ箱の中に不審物はないかなど、細かいところまで確認します。「いろいろなことを覚えなくちゃいけなくて、予想以上に大変な仕事だなと思いました」「大変なこともあったけれど、やりきったらすごく楽しかったです。だから、仕事はやるからには頑張らなきゃと思いました」

インフォメーションは2名の生徒が体験しました。商業施設の顔となるインフォメーションの仕事を経験したふたりの表情はキラキラしています。「みなさん、思いやりを大切にされていて、どのお客さまにも笑顔で対応している姿がすごいなって率直に感じました」「すごく覚えることがたくさんあって、毎日が勉強なんだなと思いました。インフォメーションは人に見られる仕事なので、姿勢だったり表情だったり、言葉遣いだったり、全部が丁寧で、真似できないなぁって思いました。すごく面白かったです!」

イッツコムでは、2名の生徒がラジオの仕事を体験しました。市ケ尾メディアセンターを見学したあと、午後には、たまプラーザ テラスのサテライトスタジオからラジオの公開生放送(FMサルース)にゲストとして出演! 先生や家族、友人に、通りすがりの知人まで、たくさんの人が見守る中、ヘッドフォンをつけて職場体験について説明したり、部活動のことなどを話しました。緊張した様子でしたが、なかなかできない貴重な体験ができたのではないかと思います。

東京ガス・ライフバル横浜北には2名の生徒が伺いました。車に乗ってお客様のお宅まで行き、ガス器具の点検や修理などの作業を手伝いました。社員の方々と同じようにつなぎを着ての作業となりましたが「とても寒かった!」「疲れました」と外作業の大変さがよくわかったとのこと。お客様からは「作業着が似合ってるね」などと声をかけられ、会話も交わすこともできたそうです。

地域連携プログラムの成果発表会に向けて

子どもたちから多く聞かれたのは「楽しかった」そして「実際に思っていたよりも大変だった」というふたつの感想でした。働くということは、やりがいもある一方で、大変さもあるのだということを肌身で感じたようでした。また、普段なにげなく利用している施設やライフラインなどの裏側を見ることで、地域の仕事を知り、自分たちの暮らしがどのように支えられているのかを実感することができました。

地域連携プログラムを通じて学び、考えた「まちの将来像」やその実現に向けた「自分たちにできること」の提案やアイデアは、生徒たち自身でeBookにまとめ、3月に開催予定の発表会で、その成果を披露する予定です。

今回の職場体験は、働くことを知り、自分たちの暮らしを見つめ直す良いきっかけとなったのではないでしょうか。子どもたちのキラキラした表情や心地よい疲れのある姿を目にして、地域連携プログラムがもたらす、地に足の着いた子どもたちの未来が、ますます楽しみになった1日でした。そして、3月の成果発表会にこの日の経験がどう活かされるのか、今から楽しみでなりません。

イベントレポート一覧に戻る

メニューを閉じる