• HOME
  • >
  • イベントレポート
  • >
  • 「次世代郊外まちづくりシンポジウム~田園都市で暮らす、働く」を開催しました

イベントレポート

2018.12.14(金)

「次世代郊外まちづくりシンポジウム~田園都市で暮らす、働く」を開催しました

11月4日(日)、たまプラーザテラス内 プラーザホールby iTSCOMにて次世代郊外まちづくりシンポジウムを開催しました。今回のシンポジウムでは、これまでの次世代郊外まちづくりの活動を振り返るとともに、今後の沿線展開を踏まえ「田園都市で暮らす、働く」をテーマとして地域の皆さまと郊外住宅地の未来について考えることを目的としました。
当日はあいにくの雨となりましたが、今まで次世代郊外まちづくりの活動に参加された方だけでなく、当HPやチラシをご覧になり初めて関心を持たれた方、地元以外からお越しになった方など、総勢100名ほどのご参加をいただきました。

シンポジウムは横浜市平原敏英副市長、東急電鉄都市創造本部髙橋俊之本部長の開会挨拶から始まり、つづいて横浜市建築局住宅再生課古檜山匡和課長によるこれまでの次世代郊外まちづくりの取り組みの紹介がありました。

その後、今回のシンポジウムのテーマである「田園都市で暮らす、働く」に関連し、キーノートスピーチとしてカルチャースタディーズ研究所の三浦展(あつし)氏にご講演いただきました。
三浦氏からは、「これまで『男性の働く場所は都心で、郊外は女性が子育てと家事をする場所』という役割で成り立っていたが、かつて郊外に求められた環境の良さや安全性が都心でも叶うようになり、『都心の郊外化』が進んできたことで出生率も逆転している。今は、女性が暮らしやすく働きやすい場所であることが、人口を伸ばす条件であると言える」。「郊外が従来のベッドタウンに代わって持つべき柱は3つあり、1つは『働く』、2つ目が『夜の娯楽』、そして3つ目として子育て世代や定年退職者、高齢者などをキーワードとしたスキルや場の『シェア』である」など、郊外住宅地の将来を考えるにあたっての知見をご紹介いただきました。

シンポジウムの後半は、東京大学まちづくり研究室の教授であり、次世代郊外まちづくりのスタート時から様々な活動に関わっていただいている小泉秀樹教授をナビゲーターに迎え、参加者それぞれが考える「田園都市での新しい暮らし」についてのトーク・ディスカッションを実施。

トークディスカッションの冒頭では、東急電鉄の坂井田麻子氏より、シンポジウムに先駆け横浜市と東急電鉄が実施した「郊外で暮らす・働く」をテーマとした勉強会と視察会の成果について情報提供がありました。シェアキッチンを活用した創業支援や女性のキャリア支援、団地を活用した小規模多機能型居宅介護施設の運営など、「暮らす」と「働く」が緩やかに融合した地域活動や公民連携プロジェクトの事例が紹介されました。
つづいて、来場者の皆様が持っていた「田園都市で暮らす、働く」についてのイメージを振り返りました。参加者の皆様には、会場への入場時に「田園都市で暮らす・働く」に対するイメージを付箋に記入し、ボードに貼ってもらっています。ご記入いただいた付箋からは、「緑豊かな環境」「健康で豊かな生活」といった暮らしに関するイメージ、「都心へのアクセスがいい」「クリエイティブな仕事ができる」といった仕事に関するイメージ、「職住遊が融合した働き方ができる」といったワークライフバランスに関するイメージなど、様々な印象をお持ちであることがわかりました。

その後「①自宅の近くで安心して働ける」「②自分のやりたいコトをカタチにする」「③シェアを楽しみながら自分の時間をつくる」「④地域のためのコト・モノ・サービスを生み出す」「⑤夜も楽しめる暮らしをつくる」という5つのテーマから関心があるものを選んでディスカッションを行いました。
ここでは参加者それぞれが取り組む活動やアイデアなどの活発な意見が飛び交い、「企業の社員や個人事業主が一緒に使えるコ・ワークスペースが自宅の近くにあるといい」「定年退職後のシニアや個人がもつスキルのシェア・マッチングの場があると良い」「コミュニティの立ち上げ・やりたいことの実現に向けて背中を押してもらえる機会がほしい」など今後の郊外暮らしを描くヒントとなる意見がたくさん出されました。

ナビゲーターの小泉氏は、各グループの話し合いを聞いて、「田園都市は魅力があって可能性のある街。もっともっと花開いていいと思う。それぞれのまちにコーディネーター的な方が何名もいて様々な活動が育まれているが、今後は若い人も取り込みながら次世代の中からもコーディネーターが生まれるようになれば」と期待を寄せました。

シンポジウムの最後には、来年1月からたまプラーザを中心に始まる地域移動の社会実験について紹介があり、閉会となりました。

たまプラーザでは既に地域利便施設「CO-NIWAたまプラーザ」内に設けられたコワーキングスペースや、会員制サテライトシェアオフィス「NewWork」が整備されいてるほか、共創スペース「WISE Living Lab」の活用が進み、住民創発プロジェクトを始めとした地域活動も多数生まれています。今後の「働く」と「住む」が融合した新しい豊かな暮らし方の実現に向けて、たまプラーザから田園都市線沿線へ広げていくきっかけとなるシンポジウムとなりました。

イベントレポート一覧に戻る

メニューを閉じる