イベントレポート
2013.11.16(土)
この街の育ち合いを日本中に!フラッシュモブ、大成功!
駅や公園、街角などの公共のスペースで、何の前ぶれもなく突然始まる、ハイクオリティな音楽や踊り。たまたまその場に居合わせた人たちが驚きと感動に包まれる、そんなサプライズを「フラッシュモブ」と言います。11月4日(月・祝)、たまプラーザ駅前は朝からしとしとと雨が降っていましたが、お昼を過ぎると青空が見え始め、行き交う人々の表情も明るく楽しげ。そして14時ごろ、人々はステーションコートで足を止め……人が人を呼び、あっという間に人だかりができました。
そんな中、群衆をかき分けるように出てきた一人の女性が、アカペラで歌い始めました。誰もが知るゴスペルの名曲「Oh Happy Day」。一人、また一人と、みるみる間に声が重なります。映画『天使にラブソング』のシスターに扮した女性、サングラスをかけた男性、いつもたまプラーザで見かけるおしゃれなおじさん、元気な小学生に、ベビーカーを押したお母さん……! 瞬く間に、歌と踊りの輪が広がりました。
「Oh Happy Day」から流れるように始まった、ダブルダッチの世界的パフォーマンス集団「カプリオール」による華麗な演技。ダブルダッチは2本のロープをまわし、その中でジャンパーたちが技を交えて飛び跳ねます。今回、まちの人たちと一緒に出演した「カプリオール」は「たまプラーザ夏祭り」をきっかけに誕生し、多くの子どもたちが活躍している「美しが丘ダブルダッチクラブ」の元コーチです。たまプラーザでのフラッシュモブを企画した「たまプラー座だよ!全員集合!フラッシュモブ実行委員会」は、美しが丘中学校、美しが丘小学校、美しが丘東小学校、美しが丘ダブルダッチクラブの保護者たちが中心になって結成しました。今回のパフォーマンスの構成・演出を担当した「カプリオール」のYABIっち(やびっち)さんはフラッシュモブ終了後の懇親会で「朝は雨が降っていてどうなることかと思ったが、時間になると奇跡のように晴れて、キャストのみんなが一体になって素晴らしい演技ができた。たまプラーザのチームワークは最高!」と話しました。
パフォーマンスでは最後、キャスト全員が中央に集まり、赤ちゃんを抱え上げ「この街での育ち合いが、たまプラーザから日本中に広まっていきますように」とメッセージを唱和して、終了。たまプラーザの駅前に集まった観衆から惜しみない拍手が送られました。「私たちも踊ってみたいね」「参加したかったなあ!」という声が聞こえ、キャストたちのハイタッチは終わらず、感動と興奮の輪はしばし覚めやらず……でした。
フラッシュモブ実行委員会代表で通称「モ部長」こと林月子さんは、「毎週練習を重ねてきたキャストの方、応援の気持ちを寄せてくださった方、フラッシュモブの実現に至るまでに出会ったすべての方が、誰一人欠けてもなし得なかった。フラッシュモブで世代を超えた感動の共有・・つながり合い・育ち合うことができたらと思って企画しました。今回のイベントを終えて、この街に暮らす一人ひとりが、かけがえのない大切な存在であることを感じました。このプロジェクトを通して得られた出会い・育ち合いを、これからの豊かなたまプラーザの街づくりにつなげていきたい」と話しました。
実は、当日雨上がりのステーションコートは濡れていました。ジャンプやパフォーマンスで転倒してはいけない!とスタッフが床をペーパーで必死に拭いていたところ、通りがかりの方々が自ら手伝い始めたのです。そこから既にフラッシュモブが始まっていました。このエピソードは、イベントが地域を巻き込むチカラを持っていることを証明してくれたと思います。
フラッシュモブ実行委員会の企画テーマ「たまプラー座だよ!全員集合!」は、次世代郊外まちづくりの認定プロジェクトで、フラッシュモブに参加する人々、またそれに携わる人々が実現に向けたプロセスの中で成長し、多様な参加者との交流の中で精神的、技術的にもレベルアップしながら積極的に地域に関わる人材を育成することを目的に動いています。11月4日のフラッシュモブの成功でプロジェクトとしては一段落しましたが、今後もムービーの作成など活動は続きます。たまプラーザへの愛着心が強く、子どもから70代まで多世代を巻き込み、楽しさや感動を共有する手法を確立した手腕で、今後も様々な場面で活躍していくことが期待されます。写真・文=北原まどか(取材班)