イベントレポート
2013.12.06(金)
廃品活用で楽しむアイデア「みんなでキャンドル、ランタンを作ろう!」
この日、あおばフレンズは世代を超えた多数の人々で賑わっていました。和気あいあいとした雰囲気のなか、AOBA+ARTの野見山桜さんの指導でランタンづくりが始まりました。
使う素材は、透明な空き瓶と、雪の結晶や雪だるまの形をしたシール、自由にラインや形がつくれるマスキングテープです。
瓶にシールやマスキングテープで自由にデザインしたら、全体にカラースプレーを吹き付けます。
スプレーが乾いたら、シールやマスキングテープを剥がします。すると……
シールを貼った部分が透明のまま残って中が透ける、幻想的なランタンの出来上がりです。
12月14日(土)開催の「たまプラNIGHT WALK 」で使われるこのランタン、当日は中にLEDの電球を入れるそうです。
ランタンに続いてキャンドル作りも始まりました。
こちらは、たまプラ油田開発プロジェクトの小松礼次郎さんが教えてくださいました。
材料は、食用油、タコ糸、アルミカップ、アルミホイルと油性のクレヨンです。
タコ糸はキャンドルの芯にするため、端にアルミホイルの重りをつけて油に浸しておきます。
油はホットプレートで温めて、凝固剤を加えます。ここでクレヨンを削って加える予定でしたが、
「いろんな色のキャンドルができたら面白い。アルミカップにそれぞれ好きな色を入れておいたらどうでしょう?」
……そんな参加者からのアイデアでカラフルなキャンドル作りに発展しました。
クレヨンを入れたカップに凝固剤を混ぜた油を注ぎます。
小学生の女の子たちがとても器用に作業してくれました。
「カップの中をかき混ぜないとクレヨンが溶けないかも」
「この割り箸を使いましょう」
皆で協力して、理科の実験のような雰囲気で進みます。
クレヨンが溶けて固まると……イメージ通り、きれいなキャンドルができました!
「廃油でも同じようにキャンドルができます。天ぷらのような香りが気になる場合は、アロマオイルなどを加えることで、逆に自分の好きな香りも楽しめます」と、小松さん。
参加者からは「食用油でこんなに楽しくキャンドルができるなんて!」「今度、家の廃油でつくってみます」との声も聞かれました。
家庭や飲食店などから出る廃食油の活用を呼びかけているたまプラ油田開発プロジェクトは、住民創発プロジェクトの学びの支援活動部門で企画のサポートを受けています。
会場にいらした小松礼次郎さん(写真左)と辺見真智子さん(写真右)にお話をうかがいました。
たまプラ油田開発プロジェクトは、住宅街や商店会から出る食用油の廃油を回収し、ディーゼル燃料に精製してコミュニティバスの運行につなげたい、というビジョンを持っています。
たまプラーザ駅前通り商店会の会長でもある小松さんは「廃油の回収を地域ぐるみで行うことでコミュニティづくりにもつながります。さらに廃油を再利用したディーゼルのバスを走らせることで、高齢化が進む郊外の“地域の足”にもなります」と語ります。
一方、地域住民の立場で活動に加わる辺見さんからは「美しが丘の住民は環境問題への意識が高く、“環境への負荷を減らすために何かしたい”という思いを持つ方も多いんです。たまプラ油田開発プロジェクトがこうした思いを実現できる場になれば」とも話してくださいました。
希望や期待は広がりますが、廃油の再資源化には様々な課題もあります。
・回収ポイントをどこに設けるか?
・廃油の精製システムをどうするか?
・どうしたら安定した回収が続けられるか?
これらの課題を解決し、廃油ディーゼルで走るコミュニティバスの運行が実現している目黒区自由が丘の例を参考にして、情報を集めているということです。
今回のキャンドルづくりに参加した方々は、廃食油の行方について思いをよせるきっかけになったのではないでしょうか。
バス運行までの道程は簡単ではないと思いますが、「廃油を捨てない」発想はとても興味深く、まずはみんなで手を動かし共感を集めるところから、環境やエネルギー問題への意識が変わっていく可能性を秘めています。
この日作ったランタンは、12 月14 日(土)17:00-20:30にたまプラーザ中央商店街と美しが丘公園自由広場で開催される「たまプラNIGHT WALK」で使われます。当日は美しが丘公園でも、ランタンとキャンドル作りのワークショップを行う予定とのこと。NIGHT WALKの他のイベントと併せて、ぜひご参加ください。
写真・文=高橋陽子(取材班)