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イベントレポート

2020.03.09(月)

「第3回地域で活躍している人に会いに行こう!」で、荏子田・すすき野エリアの拠点をめぐりました

2019年12月7日、地域で活躍している人たちから話を聞く「第3回あおば拠点歩き」を開催しました。この拠点歩きは、次世代郊外まちづくりの2019年度活動方針「田園都市で暮らす、働く」のもとで開催されるイベントやセミナーのひとつです。地域で何かやってみたい方々に、自らが暮らすまちでの自分らしい働き方、暮らしのヒントを見つけてもらうことを狙いとして全3回開催し、最終回となる第3回は荏子田・すすき野エリアの拠点をめぐりました。

ガーデン&エクステリア LEADあざみ野

集合場所になったのは、黄色い三角屋根が目印の「LEAD(リード)あざみ野 ガーデン&エクステリア」です。50年前にタイル店として創業し、現在は二代目の安生敏弘さんが荏子田でガーデニング・リフォームや外構、造園など、建物のエクステリア全般を手掛けています。安生さんは、数年前までは「親父の存在もあったし、地域でつながることは面倒くさいと思っていた」そうですが、あざみ野商店会の役員として、あるいは様々な市民活動のメンバーとして、多様な人とビジネスと活動をつなぐようになりました。

「いま青葉区で商いをやっている人は二代目が多い。三代目も出ている。市民活動も次から次へと生まれ、横のつながりがなくても活発なまちですが、例えば青葉台の仲間とあざみ野の仲間がつながったらもっと面白くなると思った」と、安生さん。地域のつながりが増えていくことで、本業での意識も変わってきました。売上よりも利益、さらに利益の中身を重視し、「つなげてくれた人の思いごと、お客様が本当に喜んでくれることに取り組むようになった」と言います。

参加者からの「仕事で地元とつながると普段の生活で気まずくなりませんか?」との質問には、「最初はそんなことも思ったが、つながるほど気にならなくなる。むしろ今は“こういう人とつながれたらこんなことができるな”という思いが強い」と話してくれました。

TRE FLIP BAGEL & BREADS

次に訪れたのは「TRE FLIP(トレフリップ)BAGEL & BREADS」です。ベーグルの製造から販売までを一人でこなす店主の田中真理子さんは二児の子育て中。オープンした3年前は、下の子どもが寝ているベビーベッドを傍らに置いて接客していたそうです。「なるべく子どもと一緒にいたくて。今はもうここで寝ていられないので週4日の営業日は実家に預けています。両親に甘えながらみんなで育てるのもいいなと思って」。駅から遠い立地も「一人でやるにはちょうどいい」と考えています。

もともとお店を持つ気はなかったそうですが、大好きなベーグルのお店が近所になかったことから起業。製菓学校で基礎を学び、ベーグル作りは独学とのこと。「自分でおいしいと思ったものを出しているだけ。ベールグマニアはそれぞれにこだわりを持っているし、“誰にでもおいしい”はありえないと思うから。それに小さい店ですし」と割り切っています。

店内には絵本棚やドライフラワー、木の雑貨など、センスの良い作品が飾られています。そのセレクト基準について聞かれると、「一つこだわっていることがあるとすれば“私の友達”ということ。大好きな友達にここを使ってもらいたい」。大好きな人やものに囲まれて働く田中さんの笑顔が印象的でした。

横浜市すすき野地域ケアプラザ

次に訪れた「横浜市すすき野地域ケアプラザ」では所長の小藪基司さんが案内してくださいました。福祉や保健の相談・支援に応じる専門家が常駐するケアプラザでは、介護保険事業として要介護者のケアプランを作成するほか、横浜市委託事業として地域活動の支援や交流の場を提供し、また介護予防や高齢者の虐待防止などを包括的に行う「地域包括支援センター」の機能も持っています。

加えて、2016年度から生活支援体制整備事業として始まった“地域の支え合う仕組みづくり”も重要な役割です。「何十年もの間、福祉は行政がやってきましたが、それだけでは解決できない問題も増えてきた。地域にいる私たちがつながって、互いに助け合っていくために、ボランティア活動や新たなサービスづくりも応援している」(小藪さん)

すすき野地域ケアプラザは青葉区で一番新しい12番目のケアプラザで、比較的こじんまりしていますが70人収容できる多目的ホールや調理室などを備えています。ヨガで体を動かした後にみんなで食事を楽しんだり、老人クラブで誕生日会を開いたりと、使い方はそれぞれ。ちょうどこの日は、ケアプラザが主催するクリスマス会の前日で、スタッフとボランティアの皆さんが準備に追われていました。

ケアプラザを出て向かいの御嶽神社に立ち寄った後、築45年になるすすき野団地の横を通りました。参加者にすすき野団地管理組合の理事長、小柴健一さんがいたことから、高齢化とコミュニティの希薄化が進む団地の取り組みを急きょ紹介していただきました。管理組合では高齢者が安心して住み続けられる環境づくりとともに、新たな枠組みによる空き室活用に取り組もうとしています。

太陽ローズハウス(荏子田太陽公園)

最後に訪れたのは荏子田太陽公園です。荒廃していた公園を「子どもたちが安心して遊べる場所にしよう」と、18年前に「荏子田おやじの会」が中心となってつくったバラ園は、イベント時5000人もの人々が訪れる一大名所になっています。この公園に2019年3月、市民の手によって新たな地域交流の拠点「太陽ローズハウス」が生まれました。

荏子田太陽公園愛護会代表の増田健一さんは、「荏子田には約2000世帯が暮らしているが地域活動の拠点がなかった。一人でも多くの高齢者、そして若いお母さんたちの憩いの場をつくりたかった」と話します。ヨコハマ市民まち普請事業の公開コンテストで500万円の整備助成金を獲得しましたが、それだけでは建設費用が足りず、最終的には3団体と個人226人から569万498円もの寄付を集めました。

増田さんたちは住民に何度も説明して回ったそうです。「1回ではだめ。2回、3回、ときには4回。ローズハウスは地域の皆さん一人ひとりの場所であり、赤ちゃんが大人になっても使える地域の財産だということを話した。誠意と熱意があれば伝わると感じた」。

電気・ガス・上下水道を備えるローズハウスでは、ママ友グループからコーラスグループ、子どものお習字会、茶話会、将棋教室などが行われ、鍵の管理や清掃などは、活動グループみんなで分担しています。

この日の参加者は、「今日のような寒い日でも外は家族連れでにぎわっている。ここが地域の居場所になっているんだなと感じた」「地元に住んで長いが初めて知ることばかりだった。地元にこんなに素敵なところがあることを知ってよかった」「熱意に勇気をもらった」と話し、自ら出向いて直接話を聴くことの大切さを感じていました。

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