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イベントレポート

2014.03.25(火)

「次世代郊外まちづくり シビックプライド〜美中プラン〜」発表会を開催しました

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寒さも和らぎ始めた3月7日、たまプラーザ テラス・プラーザホールにて「次世代郊外まちづくり シビックプライド〜美中プラン〜」の発表会が開催されました。 モデル地区内にある美しが丘中学校では、昨年9月から3年生の社会科の授業の一環として「次世代郊外まちづくり」に関する学習を授業に組み入れ、「自分たちが地域にできることは何か」を考えてきました。この日は約半年間かけて学んだ成果を、地域や保護者の方々に発表する、集大成の1日となりました。

バラエティ豊かなプレゼンテーション

子どもたちは各クラス9班、計27班に分かれています。そして、班ごとに考えたまちづくりのアイデアを、1分ずつプレゼンテーションしていきました。1クラス終わるごとに、来場者はいいと思った班を3つ選び、その班のポスターにシールを貼り付けていきます。シールの数がいちばん多かった班の代表が、後半のパネルディスカッションに参加することになります。

発表の際は、模造紙サイズの手作りのポスターを使って行いました。シンプルなものからカラフルなもの、イラストを多用したものなど、それぞれ工夫を凝らし、とても見やすく作られていました。

27班もあると、高齢化や環境の問題、商店街の活性化やイベント企画まで、テーマも内容も実にバラエティ豊かでした。まちづくりへの関心が高い来場者の方々も、興味津々で、発表を聴いていらっしゃいました。 また、1分間という短い発表時間でしたが、どの班も要点をまとめて簡潔に話し、時間もきっちり守っていました。ゲストの東京理科大学・伊藤香織准教授も「プレゼンテーション能力が高い!」と、驚かれていました。

シール投票により各クラスの代表者が決定!

シール投票の結果、1組からは、電線の地中化やゴミ箱の設置を提案した7班「たまプラ ずっと愛される街へ」、2組からは、屋台市やポイントカードなどを利用した商店街の活性化を提案した7班「輝かせよう 笑顔あふれる商店街」、3組からは、たまプラで行われている落ち葉ボランティアに、若い人たちも参加してもらえる企画を考えた6班「“お”ーいみんな集まって“ち”いさなことでも始められる“ば”しょをていきょうしよう」が選ばれ、班の代表者が後半のパネルディスカッションに臨みました。

意識の高さを感じるパネルディスカッション

はじめに、それぞれ、なぜこの提案を行ったのかを改めて説明しました。1組7班は「話し合いの中で“快適”というキーワードが何度も出てきました。遊び場所の提案なども考えましたが、快適という言葉から考えて、電線の地中化やゴミ箱の設置を提案することにしました」とのこと。伊藤先生からは「とてもよく勉強して考えられている案だと思いました。しかしゴミ箱を設置するとゴミを持ち帰らない人が増えるという理由で近年ゴミ箱は減ってきています。回収の問題もあるが、このあたりの問題はどうしようと思っていましたか?」という質問がされました。「ゴミのポイ捨ては若い人がする場合が多いと思う。そこで学生がボランティアでゴミの回収をすれば意識が高まり、ポイ捨ても減って一石二鳥なのではないか」という回答が。「考えが深められていて、すばらしい!」と伊藤先生も大絶賛。

続いて2組7班。「まずはじめに“楽しいまちをつくりたい”という目標を決めました。それからどうすれば楽しいまちになるかを話し合って、いちばん楽しそうだったのが屋台市とポイントカードでした」。伊藤先生からは「屋台を作るためにはお金が必要になりますが、どこがどうやって出しますか?」と質問が。

「夏祭りの寄付の残りを使うなど、まち全体で助け合って、商店街を支えていく」という答えに「商店街の問題ではなく、まち全体の問題として捉えるということですね。すばらしいです」とまたまた感心した様子。

3組6班は「まちの自然を活かしたいというところから、落ち葉ボランティアを思い出しました。小学生の頃は行っていたけれど、中学生になってから行かなくなってしまったので、行きたくなるような仕掛けがあればいいと思いました」とのこと。伊藤先生からは「今からでも始められそうですね。集めた落ち葉で焼き芋をするというアイデアもすてきです。労働ではなく、やると楽しいことに変えていく。そうすると自然と人が集まるようになります」とアドバイスがありました。

来場者からは「高齢者問題を取り上げている班がたくさんありましたが、たとえば高齢者と若い人が交流できるイベントはすでにたくさんあります。でも若い人たちの参加はほとんどありません。なぜでしょうか?」という質問がありました。
ここでも「部活や勉強に力を入れている人もいるし、忙しくてイベントには参加できない人もいます。ぼくらが地域に興味をもったのは、今回の授業がきっかけでした。最初はこんなふうに強制でも、まず体験することが大事だと思います」と、しっかりと答えていました。

伊藤先生の質問も来場者の質問も、かなり厳しい指摘をしていましたが、どの代表者もしっかりとした受け答えで返し、そのたび、会場からは拍手が沸き起こりました。

最後に、ゲストの方々から、講評がありました。


横浜市建築局 鈴木課長
今日はみなさんから智恵と勇気と感動をいっぱいもらいました。これをきっかけにまちに興味をもってくれたということですので、ぜひその興味を忘れないでください。そして、今日の提案を自分で実現していこうという思いを持ち続けていただきたいと思います。


東急電鉄 市川課長
みなさん今日はお疲れさまでした。厳しい質問にもきちんと答えていましたし、発表の内容もすばらしく、個人的に非常に感動しています。


東京理科大学 伊藤香織准教授
面白いアイデアがたくさんありました。それから発表がとても上手でした。私は普段、大学で教えていますが、大学生に見せたいぐらいでした。今回の授業で、初めてまちに興味を持てるようになったという人が大勢いると思います。秋の講演会でお話したことを覚えていますか? 自分の好きなこと、得意なことでまちに何ができるのか。それから自分が夢を叶えたとして、その立場でまちに何ができるのか。今回でまちを見たり考えたりするきっかけができたと思うので、これからは自分の活動や能力をまちと関連づける視点をもちながら、好きなことや得意なことを続けてもらえると、それはまちにとってもとても良いことだと思います。これから高校生になりますが、ますます自分の夢に向かって活躍してください。その中で、それをまちづくりに活かしていってもらえたらと思います。


2時間という短い時間でしたが、企画の面白さ、プレゼンテーションのクオリティの高さ、そして大人顔負けのしっかりとした受け答えと、最初から最後まで感心させられ、会場は充実した空気に満たされていました。今後、彼らの中からまちづくりの一端を担う人が現れるかもしれない、そんな期待に胸を膨らませた1日でした。

頂いたコメント


保護者の方のコメント
あまり時間がなく、準備がちゃんと進んでいないと聞いていたので、心配しながらきました。でも実際には、具体的で簡潔な提案がたくさんあったので、びっくりしてしまいました。今日足を運んで、すごくよかったと思いました。
たくさんコミュニケーションをとって、中学生らしいきれいな発表ができたと思います。思っていた以上に発表がきちんとできていたので、正直びっくりしました。ご協力いただいた周りの関係者や学校の方々に感謝しています。


伊藤香織准教授のコメント
最初に中学生がやると聞いた時は、どういう風になるのかなと思っていましたが、部活や受験で忙しい中、頑張って勉強したと思います。それと、最後の講評でも申し上げた通り、プレゼンテーションがすばらしかったです。
中学生がまちづくりに参加する機会はあまりありませんし、普段の生活ではなかなか興味が沸かないと思うんですね。その中で中学生にどうやってまちに興味をもってもらうのかということは、難しい問題です。授業で取り上げるというのは、とても良いきっかけになると思いました。


美しが丘中学校 教諭(社会科担当) 鬼木勝先生のコメント
子どもたちが地域を身近に感じて、自分に何ができるかを考えるいい機会になりました。今日の発表を聴いてそれがリアルに伝わったので、非常に良かったと思います。来年度からも社会科の授業の一環で、この“地域に何ができるか”を考える活動は続けていきたいと思っています。


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