イベントレポート
2014.02.12(水)
「住民創発プロジェクト -シビックプライド・プロジェクト- 第2回講評会」を開催しました
寒さも厳しさを増してきた1月18日、たまプラーザ テラス・プラーザホールにて、「住民創発プロジェクト -シビックプライド・プロジェクト- 第2回講評会」が開催されました。
第2回講評会までの経緯
昨年9月21日に開催された第1回講評会で「学びの活動支援」を受ける事が決定した各団体は、約4ヶ月間、実施計画づくりに取り組んできました。そしてこの日、各団体は『次世代郊外まちづくり 住民創発プロジェクト』への認定を目指して、より具体的な提案を行いました。認定を受けると、最高で45万円の支援金を受け取ることができ、具体的な活動を推進する際の様々な支援が受けられます。
応募は全部で17企画でした。前回、学びの活動支援部門で支援が決定したのは22企画でしたが、今回の講評会に至るまでに、取り組みの主旨が似ている企画がまとまってひとつの企画になるといった動きもありました。住民創発プロジェクトでは、横の繋がりを作っていこうという呼びかけもしてきました。今回、このようにいくつかの団体がまとまってひとつのプロジェクトを提案することになったのは、大変意義深いことだったと思います。
講評委員は、前回と同じく、青葉区副区長・大野敏美さん、横浜市建築局企画部長・秋元康幸さん、東急電鉄都市開発事業本部統括部長・東浦亮典さん、東京理科大学理工学部建築学科・伊藤香織准教授、東京大学大学院・小泉秀樹教授の5名です。
白熱したプレゼンテーション
プレゼンテーションは各企画7分、質疑応答時間は3分です。2度目ということで、みなさんそれほど固くならず、リラックスされているようでした。また、前回は具体的な実施計画までは至っていなかった企画も、目的やビジョン、実施計画に至るまで、より詳細で現実的な企画にまとまっていました。どの団体も、認定を受けるためにこの日まで頑張ってきたことが伺えました。
一方で、認定を目指した講評会ということで、講評委員の方々からは、計画の具体性や問題点に関してシビアな質問が出されることもありました。しかしどの団体も、ためらうことなく、ひとつひとつの質問に受け答えしていたのが印象的でした。
各団体の思いの詰まったプレゼンテーションと、講評委員の方々との白熱した質疑応答が続き、全17企画のプレゼンテーションが終わった頃には、予定時間を1時間もオーバーしていました。
「フラッシュモブ実行委員会」からの活動報告も
次に、会場の後方にずらりと並んだ各企画の展示を見て回る、ポスターセッションの時間です。各団体から直接話を聞いたり、お互いに声を掛け合ったりと、自由に交流ができます。講評委員の方々もポスターセッションに混ざり、質疑応答で聞けなかったことなどを尋ねていました。また、提案団体も含む講評会の参加者全員が、いいと思ったプロジェクトにシール投票を行いました。講評結果には、プレゼンテーションや企画書の内容に加え、このシール投票の結果も加味されます。
審査は予定時間を過ぎても終わらず、難航している様子でした。その間、第1回講評会で認定を受けた「フラッシュモブ実行委員会」から、2013年11月4日にたまプラーザ テラスにて実施したフラッシュモブ企画「たまプラー座だよ!全員集合!」についての簡単な報告と、当日の様子を撮影した動画が放映されました。大人から子どもまで、たまプラーザの住民約150人が参加したというフラッシュモブ。完成度が高く、誰もが満面の笑顔で楽しんでいるのが伝わってきました。
10団体が住民創発プロジェクトに認定!
そして、いよいよ講評結果の発表です。まず小泉教授より「全体として、学びの活動の成果が出ていて、非常にレベルが高かったと思います。ぜひ企画としてやっていただきたいものがたくさんあったのですが、限られた資金を配分しなければなりませんので、その点で非常に難しい議論になったということをまずお伝えしたいと思います。連携性、創発性、持続性などの視点と、プロジェクト期間中に具体的な成果が出せそうかどうかという、企画の実行性という視点などから評価し、10団体を認定することになりました」との全体講評がありました。会場には一気に緊張感が漂いました。続いて、認定を受ける10団体が発表されます。
今回、認定を受けたのは
「AOBA+ART2014実行委員会(AOBA+ART2014展〔仮〕)」
「あおばフレンズ(地域雇用創出と街の安全安心)」
「美しが丘Diamonds(学校を拠点とする地域住民交流の促進)」
「オールたまプラーザの健康・コミュニティづくり(オールたまプラーザの健康・コミュニティづくり)」
「たまプ楽食プロジェクト(現代・たまプラ版『御用聞き』の実施)」
「たまプラフレンズ(住民主導型まちづくりネットワーク・たまプラnetwork)」
「特定非営利活動法人森ノオト(シビックメディア『たまプラびと図鑑』)」
「Loco-working協議会たまプラプロジェクトチーム(たまプラで暮らし、働く -ロコワーキング-)」
「特定非営利活動法人森ノオト(たまプラーザ電力プロジェクト)」
「たまプラ油田開発プロジェクト(シビックプライドを育むコンパクトな資源循環型コミュニティを試みる)」
の10団体です。発表されると、会場は思いのほか静かに。違うプロジェクトとはいえ、みなさん、認定プロジェクトを目指して頑張ってきた仲間のようなもの。みなさんの複雑な心境が伝わってくるようでした。
最後に、各講評委員からコメントがありました。
伊藤准教授
私は、学びの活動支援部門を作ったのはすごく良かったと、今日の発表を聞いて改めて思いました。というのも、この住民創発プロジェクト自体が、情報・意見の交換をしたり、ほかの人たちのアイデアに触発されたり、一緒にやってみようという展開になる、といったことも目指していたからです。前回は別々に発表されていた方々が「こことここが一緒にやることになりました」と並んで発表しているのを見て、とても嬉しくなりました。中間報告会と最終報告会を楽しみにしたいと思います。
大野副区長
みなさんの熱のこもったプレゼンを聞かせていただき、改めてこの地域の市民力の高さを感じました。青葉区は今年、区政20周年ということで、地域課題に区民の方々が取り組んでいく際に支援をしていこうと、検討しているところです。そういった新しい支援制度なども、活用していただければと思います。
秋元部長
本当に苦しい思いをしながら選ばせていただきました。基本的には住民の方々が一生懸命考えてくださったすばらしいアイデアばかりでした。もう少し別のアイデアが入ると面白い展開になるのでは、というものもいっぱいあって、そこが読み切れなかったというのが私の正直な気持ちです。今回、認定された企画も認定されなかった企画も、横浜市と東急で応援して少しでもいい方向に展開していきたい、支援させていただきたいと思っています。これからもみなさんと頑張っていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。
東浦部長
これだけの方に、これだけの知恵を出していただいて本当に感謝しています。まだまだこの地域の中にも「次世代郊外まちづくりって何?」「何をやってるのかよくわからない」と言われている方々もたくさんいらっしゃると思います。ですから、住民創発プロジェクトを通して、どんどん仲間作りをしていただけるとありがたいなと思います。これまでまちづくりに関わってこられなかった新たな担い手が生まれ、育ち、新たな視点でよい刺激を与えてくれることを期待しています。
半年以上、プロジェクトの認定を目指して頑張ってきたみなさんにとって、この日はひとつの大きな節目だったのではないでしょうか。しかしもちろん、これはゴールではなく、スタートです。
次世代郊外まちづくりのモデル地区が、住民のみなさんによってどんなまちに変化していくのか、たくさんの企画と熱意溢れるプレゼンテーションを聞いていて、まちのこれからに多いに期待を寄せる1日になりました。