イベントレポート

2017.02.10(金)

「第10回子ども・子育てタウンミーティング」を開催しました

冬の気配がぐっと近づいた11月29日、たまプラーザ地域ケアプラザにて「第10回子ども子育てタウンミーティングが開催されました。毎回ご参加いただいている方々はもちろん、久しぶりの方や初参加の方もいて、現場を知っているからこその、とても白熱した意見交換会となりました。

「親子の関係性」について話し合う

いつもどおり、ひとつの大きな輪になって座ります。まずは簡単な自己紹介と、今日話してみたいことについて、ひとりひとりコメントしてもらいます。するとこの日は、みなさんの関心が、子どもから「親子の関係性」へと移っていくのが分かりました。

タウンミーティングにご参加いただいている方々は、幼稚園や保育園、小学校などで働く教育や子育てのプロの方々です。そして、すでに子育てを終えた地域の先輩ママさんもたくさんいらっしゃいます。そんなみなさんが一様に感じていたのは、共働きが当たり前になる、個人情報保護の観点から連絡先の交換が難しい、などの社会の変化によって、親子やママ同士など、あらゆる場面でコミュニケーションの機会が減っているのではないかということでした。それによって、愛着障害のある子どもが増えていたり、若いお母さんがひとりで子育ての悩みを抱え、どうしたらいいのかわからないまま子どもに接している場合もあるケースが増えているようです。

社会の形が確実に変わりつつある今、こうした問題は今後も大きな課題となってきます。そして多くの方が、この課題を共通認識としてもっていました。これまでのやり方では通用しない部分も多く、支援する側として、どうすればいいのかと悩んでいらっしゃるようでした。

共働きの家庭が主流となり、保育園へ通う子どもが増えていること、幼稚園ならではの魅力も本来はあること、親同士のコミュニケーションの場が減っていること、あまり濃いつながりは敬遠する人も多く、相談の乗り方に工夫が必要なことなど、みなさんが感じておられる現状が共有されました。一方で、徐々に良い変化も見え始めています。最近では働きながらPTA役員などを引き受けてくれるお母さんも増えてきたそう。これは以前であれば、あまりなかったことだそうです。

「普通」の定義は人によって違う

印象的だったのは、これらの問題を考えるうえで忘れてはいけない客観的な視点のこと。

「立膝を立ててごはんを食べる子を注意したら「お母さんもいつもこうやって食べてるよ」と言われたことがあります。その子にとっては、別に悪いことでもなんでもなく、それが“普通”だったんですね。“普通”ってすごく曖昧な定義なんです。その家庭の価値観、親御さんの育ってきた環境などで“普通”の感覚は、人それぞれ違います。また、立膝は正式な座り方だといわれている国もあり、その文化であるかもしれない。そのことは忘れちゃいけないなと思います」

人それぞれ、みんな違う。わかっていても、つい自分の常識に当てはめて押し付けてしまう「普通」という感覚。そこで相手の立場に立って理解するという姿勢の大切さを感じたお話でした。

参加者の中には共働きの方やシングルマザーの方もいました。「現場の方々がそうした課題を感じていると聞いて、身が引き締まりました。じゃあ具体的にどうしたらいいのかを知りたい!」と要望が出され、即席のアドバイスの場にもなりました。たとえ短い時間でもしっかりと子どもと向き合う時間をつくること、他の親御さんともなるべく交流をもつこと、PTAもやってみると意外と楽しい、ということなど、たくさんのアドバイスが飛び出しました。

みなさんの真剣な思いが溢れて対話は止まらず、時間はあっというまに過ぎてしまいました。最後にひとりひとりミーティングの感想と、今後さらに話してみたいことなどを言ってもらいました。また、青葉区こども家庭支援課子育て支援担当係長 横田様より、子育て支援マップの紹介と、横浜市の各種子育て支援制度についての説明がありました。この日はとても白熱したミーティングとなりました。

「たまプラーザ(地域)が親になればいい」

課題を共有したことで、多くの参加者が「私に(団体に)何ができるだろう」「どうしたらいいのだろう」と未来に思いを向け、何か行動に移したいと思っていました。

ときには、さまざまな事情があって家庭内では問題を解決しきれないこともあります。しかしそんな場合でも「たまプラーザ(地域)が親になればいいのよ」という話が出て、みなさんにこやかにうなずいていらっしゃいました。

子どもたちは地域(社会)で育てる。その使命を感じつつも、まず大切なのは「親子関係」を育むこと。地域はそのサポートやセーフティネットだという本質的な話の数々に、この地域・このまちならば安心してまちぐるみの子育てができるのではないか、と改めて強く感じた夜でした。

参加者の感想

Mさん
今日みなさんがトータルでおっしゃっていたことは、子どもと親が深く関わるのがすごく大事だということでした。でもそれってきっと、ほかの関係でも同じですよね。働いてるとか働いていないとか、大人とか子どもとか関係なく、大切なのは、人と人とがどうやって向き合うのかということ。でもどうやったら変わっていくんだろうとお話を聞きながら考えていました。

Kさん
今日はいいお話をたくさん聞かせていただきました。こういうことを元にこの地域で子どもたちを支援していけたらいいなと感じました。何かの研修で「子どもたちを支援する仕事は感情を伴うお仕事です」と聞いたことがあります。自分は感情をコントロールしないといけない立場ですが、それが本当に難しい。今も学びながら仕事をしていますが、今日のみなさんの話を聞きながら、明日からも頑張ろうという気持ちになりました。こういう機会は本当にありがたいと思っています。

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