イベントレポート
2015.11.26(木)
「第5回子ども・子育てタウンミーティング」を開催しました
さわやかな秋の夜風が吹く、10月20日。 たまプラーザ地域ケアプラザにて、第5回子ども・子育てタウンミーティングが開催されました。
まず、横浜市建築局住宅再生課の大嶽さんから、改めて、子ども・子育てタウンミーティングの位置付けや方針についての確認がありました。このタウンミーティングは、保育や子育てネットワークづくりが更に深まるようにサポートする、次世代郊外まちづくりの重要な柱のひとつです。
大嶽さんからは、このタウンミーティングを今後、横浜の様々な地区でモデルとして展開していきたいというお話もありました。また、これまでも話題になってきたモデル地区内の住宅跡地の活用についても、「暮らしの拠点を作る具体のプロジェクトに反映していきたい」と発言がありました。
顔の見える関係作り
その後は、これまでのタウンミーティングの経緯報告と目的の確認が、まちぐるみの保育・子育てネットワークづくり事務局から行われました。
子育てネットワークを構築していくことの目的は「美しが丘の豊かな子育て環境が持続的・永続的になる」ことです。この地域には、まちに愛情を持って、熱心に活動をしている方は既にたくさんいます。しかし、誰かの頑張りで出来ていることをみんなで支え合う仕組がなければ、いくら大事な活動が行われていても、誰かに無理がかかってしまい長続きしません。
そして次世代を育て、知識を伝達していかなければ、この豊かな活動を継続していくことが難しくなってくるかもしれません。
これまでのタウンミーティングに参加した皆さんから「教育子育て支援関係者に限定した情報の共有」「顔の見える関係作り」「顔の見える窓口」が必要だといった意見があったことから、事務局より「タウンミーティング参加者のプロフィールを集めた冊子」を作成してみるのはどうかという提案がなされました。顔の見える関係は、お互いのことを深く知り合い、どこの誰が何をしているのかが分かる関係。冊子はそうした関係を作るためのきっかけ作りのツールです。
住んでいるまちと子どもたちへの愛
もちろん、冊子だけで顔の見える関係はできません。タウンミーティングはまさに、お互いが顔を見合わせて知り合える大切な機会です。この後の時間には、各班のテーブルの上に並べられた3枚のカードから、各参加者が順に1枚を引き、そこに書かれたテーマに沿って、自分の話をするというワークが行われました。3枚のカードにはそれぞれ、「このことは私にまかせて」「この世界に入ったきっかけ」「(自分のしている活動に)携わっていてよかったエピソード」というお題が書かれています。
各テーブルを周ってみると、カードに書かれたテーマを導入に、この地域の学校と学童保育との連携の良さや、教育熱心な親の多さ、主任児童員赤ちゃん訪問の体験談、ボランティア活動への意識の高さ等、様々な話題が展開されていました。普段、子育てや教育や地域作りに関わっている方々同士だけあって、どのテーブルでも楽しく、ディープな対話が繰り広げられました。
子ども、教育に留まらない様々な話題が飛び出し、休憩時間になっても話が止まらないほど盛り上がっていました。どのテーブルにも共通していたのは、住んでいるまちと子どもたちへの愛でした。
1グループ
色んな年齢、色んな立場の人が集っており、それぞれ分野の違い、活動するステージの違いはあるけれど、共通の部分を感じました。このまちを大事に思っている人と時間と空間を作り上げ、一緒に考えて行けることを嬉しく思います。
自分は幼稚園で働いてきて、そこしか知らなかったけれど、幼稚園の前にはこういう受け皿がある、幼稚園の後にはこういう受け皿があるんだということも分かりました。いつか私が幼稚園で見ていた子供達が、「オレ達、たまプラーザ出身だよな」って思えるようなまちになったらいいと思います。皆の話を聞いていて、このまちが私達、そして子供たちにとって、よい実家、よい故郷になれたらいいなと感じました。
2グループ
最近の親御さんは、隣近所とのお付き合いがしづらくなっている方が多い。また、地域の特性として、転入してくる方がとても多い。そんな中で気になることとしては、災害時等、緊急時の連絡先です。少しでも地域の活動に参加して頂き、地域とつながりを持っていけるといいと思います。
また、子育て広場を長く続けてきた方からは、障害のあるお子さんや色んな課題を抱えたお子さんも、周りの目を気にせず、色んな事を体験してもらって、それを周りが暖かく見守って行けるような地域であったらいいなという話がありました。
3グループ
この地域のケアプラザは、立地条件の良さもあり、高齢者だけでなく子育て世代の人達も集まるという、なかなかない場所になっています。前回企画したイベントは非常によいものになりました。それがなぜかと考えてみると、人数の配分が非常によかった。参加者の比率が高齢者3割、子育て中のお母さん3割、それ以外の人3割という非常にバランスの取れたものになっていて、それぞれの年代がいいところを出し合い、お互いが響き合う関係を作れました。
その他、自分が面倒見ていたお子さんの成長が嬉しかったとか、自分のパーソナリティが人に安心感を与えるエピソードなど色々なお話がありましたが、まとめると皆、人が好きなんだなということです。
4グループ
この地域は障害者の居場所という部分が少し弱いのではという課題が挙げられました。また、この会自身が専門家に偏ったコアな集まりになり過ぎている傾向があるので、もっと地域の人が、誰でも入って来られる集まりになるといいのではという声もありました。顔の見える関係作りのためには、冊子だけでなく、こういう対話の場を重ねていくのが大事だと思います。
5グループ
小学校や保育園の職員等、みんな子供が大好きという共通点のあるメンバーでした。そういう人達と、仕事以外で知り合えたことが嬉しいです。また、地域の方が「自分たちのまちをきれいにしているのがいいなと感じた」、そして、そういうまちは子供も優しい気持ちで見守ることができると思うといった感想がありました。地域でつなぐ・つながれるってことがとても大事なんだねと話しました。
ワークの後さらに、顔の見える関係を作るためには、果たして冊子がよいのか、作るとすればどれくらいの情報量のものにするのか等、活発に議論が交わされました。次回の展開も期待出来る第5回のタウンミーティングとなりました。
参加者の感想
Sさん(70代/女性)
地元のお母さん同士の仲間を作ろうという想いで、自宅を開放して子育て広場を始めました。何より、お母さんたちが会って話すことを大事にしていました。ここで関わったお母さんや子ども達とは、今でもずっとつながっています。今は逆にサービスがあり過ぎて、自分達で作るのではなく、サービスを受けるだけという感覚になっている面もあるのかもしれません。そういった意味でもこのような新しいつながりの出来る機会は大切だなと改めて感じました。