イベントレポート

2016.03.08(火)

「第7回子ども・子育てタウンミーティング」を開催しました

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冬の寒さの続く2月12日、たまプラーザ地域ケアプラザにて「第7回子ども・子育てタウンミーティング」が開催されました。2015年度最後のタウンミーティングとなります。

前回のミーティングでは、ひとつのテーブルを囲んでフリーディスカッションを実施しました。そこで地域ケアプラザから「場所を提供したい」というお話が、参加者からは「子育てコンシェルジュの導入」について提案がありました。今回は、今後取り組んでいきたいことについてより具体的に話し合っていこうと、引き続きフリーディスカッションを行うことになりました。

交流の場づくりのきっかけを考える

当日は10名を越える参加者が集まりました。まず地域ケアプラザの職員の方から、地域ケアプラザの活用について提案がありました。

「前回のミーティングでは、交流の場が必要だという共通認識がありました。そうすると、いかに地域の方々に集まっていただくかが今後の課題になってきます。そこで仕掛けづくりとして、教育や子育てのプロのみなさんのノウハウを集めたイベントを開催したらいいのではないでしょうか」

実際に地域ケアプラザではさまざまなイベントを開催し、支援のきっかけとなっている事例もあるそうです。毎回、大勢の人で賑わっているイベントがあることや、今後「子ども食堂」を実施する予定があること、塾に行けない子どもたちのために勉強の場づくりをしていく計画もあることなどをお話してくださいました

この提案に「子ども食堂」や勉強会に対する期待の声がたくさん挙がりました。また、自由にお話する中で、たまプラーザには何十年も続いていて、気軽に子育て相談ができる「子育て広場」があることや、助産師さんによる育児相談会が毎週定期的に開催されていること、子育て関連イベントもすでに複数あることがわかってきました。

特に盛り上がったのは、パパ友づくりの機会があれば面白いのでは、というお話です。じつはこのお話、前回も出ており、大変盛り上がりました。普段は仕事で忙しいお父さんが、交流の場をもち、地域に顔見知りをつくることで、子育てや地域活動に参加するきっかけにもなるのではと期待されています。

「気軽に話せる場づくり」と「些細なことが大事」だということ

一方で、イベントを開催する良さは実感しつつも、1回きりで終わってしまうことに対する心配や、本当に参加してもらいたい人たちに来てもらうための工夫が必要なことなどが、課題として挙げられました。

また、相談会やイベントは、多くの人に来てもらいたい反面、情報を外に広げすぎることの弊害もあるとの意見も。ボランティアで運営されている場合、負担が大きくなることによる継続の難しさが出てくることや、相談会などでは、相談内容によってはあまり人に知られたくない場合があることなどが挙げられました。

イベントをやるのはいいけれども、大きくしすぎず、継続性を大事にする。それぞれがもっているコミュニティが交差するような、より広がりのある、自助グループをつくる、人を集めるための工夫の必要性…。話が進むと、ひとりひとり違う角度からお話しているにもかかわらず、本質的には同じことを言っているね、という話になりました。

それは「気軽に話せる場づくり」と「些細なことが大事」だということです。ちょっとした心遣いがあることで、小さくても意味のある活動が生み出されます。そこで「この場で小さく何かを始めるとしたら、何を始めるか」について話し合うことになりました。

この場で小さく何かを始めるとしたら、何を始めるか

パパ友づくりの機会創出や学びの講座の開催など、多くの意見が出ましたが、新たな提案の中でもみなさんの共感を多く集めたのが、普段は相談に乗る側の方々や学校の先生などが気軽に立ち寄れるカフェスタイルのイベントがあったらいいという提案でした。子ども・子育てタウンミーティング自体がそういった要素のある集まりですが、その門扉をさらに広げてみたらいいのではないかというのです。

「子育てに関わっている側がキリキリしていたら子どもにも伝わるから、息抜きできる場所があるのはいいこと」「相談されるばかりなので、相談する場があったら嬉しい」など、多くの賛成意見が飛び出しました。子育てや教育にかかわる側のケアをしていくことで、子育て環境のボトムアップにも繋がります。

時間が経つのがあっという間で、この日のディスカッションはここまでとなりました。最後に、ひとりひとり感想を言ってもらいましたが、予定時間を大幅にオーバーするほどみなさんの思いが溢れ出しました。

また、この日は他地域に住む参加者の友人で、子育てに関する活動をしていきたいと考えている方がオブザーバーとして参加されていました。最後の感想の時間には「こういう場があればいいのにと思っていた場が、まさに体現されていて素晴らしいと思いました。私もこういう場をつくりたいです」と思わず涙を流される場面も。たまプラーザの先進性を改めて実感した瞬間でした。

次世代郊外まちづくりでは、来年度も引き続き、子ども・子育てタウンミーティングを実施していく予定です。今後、どういった展開が待っているのか、参加者おひとりおひとりの熱い思いに、来年度への期待がますます高まった夜でした。

参加者の感想

地域ケアプラザの職員の方
冒頭から「集える場所づくり」という共通した認識を持っていただいていたので、いかにそれを広げていくかというところを最初に考えました。最終的には具体的な方法やこちらが思っていなかったアイデアも出てきて、より厚みのある場所づくりができるんじゃないかという期待感が大きくなりました。駅直結で夜9時まで利用できるという、たまプラーザ地域ケアプラザの魅力的な立地と時間帯を上手に使っていただければいいなと思いますね。

K.Sさん(女性)

集まってくださった方々のひとことひとことが、もう全部、本当にそのとおりだなという感じがしたので、この先もあまり焦らずにゆっくり形にしていければいいなと思いました。みんなでしっかりと話し合いを重ねていきたいです。

今年度の統括

事務局/ナチュラルスマイルジャパン株式会社・松本理寿輝さん
今年度は、地域の方々が自ら考え、自ら意志を持ち、自らその企画に落とすというところに繋がる1年になったのではないかなと思っています。地域のみなさんのいろいろな思いを束ねていくのに、事務局がアイデアを出していた時期もありましたが、みなさんがそういったことから自分で考えていくという意志をもたれて実際に動かれる過程で、私たち事務局もたくさんのことに気づかされました。そして実際に、地域の方々から具体的なアイデアや思いが聞けるような場に繋がっていったと思っています。今後も急がず、じっくりと、本当に意味のあることに繋げていきたいですし、こうやって話し合いを続けること自体が大切なことだと思います。

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