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イベントレポート

2023.03.23(木)

田園都市で暮らす、働くプロジェクト「プロボノ実践講座」最終報告会とこれまでの3か年を振り返るイベントを実施しました

次世代郊外まちづくりでは、持続可能な郊外住宅地のためには、地域で新しい働き方が生まれ、充実したライフスタイルをおくれることが大切と考えています。田園都市線沿線での豊かで新しい暮らし方・働き方を創出する「田園都市で暮らす、働くプロジェクト」の活動の一環として今年度は「プロボノ実践講座」と「これまでのプロボノ活動の3か年を振り返るイベント」を実施しました。

2022年8月25日(木)、自分の職業や仕事で得られたスキルや知識を活かして行うボランティア活動「プロボノ」について知る入門講座が実施され約40人の参加がありました。その後、9月1日(木)、8日(木)に行われた、自分のスキルの棚卸しやケース分析といった実践講座の実施を経て、最終的に9人の参加者が、青葉区内で活動している3つの地域団体「青葉区在宅医療連携拠点(一般社団法人 横浜市青葉区医師会)」、「社会福祉法人グリーン」、「NPO法人スペースナナ」とプロボノプロジェクトに取り組みました。

2023年2月18日(土)にスプラス青葉台にて開催された最終報告会では、3人ごとに編成された3つのプロボノチームが、それぞれの地域団体と取り組んだプロボノプロジェクトについて、課題分析、課題解決に向けた提案、成果など実際の活動内容について発表を行いました。

1つめのプロボノ先団体「青葉区在宅医療連携拠点(一般社団法人 横浜市青葉区医師会)」は、グリーフケアの活動をする「青い鳥」の運営協力者の募集及び育成プログラムの作成を課題として提示。運営の担い手不足や地域に根差した活動の土台作りなどの課題に対して、プロボノ参加者たちは、まずは活動自体の認知度を広げる必要があると考え、「青い鳥」の活動リーフレットの作成に取り組みました。分かりやすく見やすいデザインにすることとともに、相手の悲嘆に寄り添うデザインとするために、言葉選びや配色、句点を使用しない文などの工夫を凝らしたリーフレットに仕上げました。

2つめのプロボノ先団体「社会福祉法人グリーン」は、運営するアンテナショップ「とうり」の認知度向上とブランディングを課題として提示。プロボノ参加者たちは、障害支援や地産地消に取り組むグリーンの魅力を引き出しながら認知度向上を目指す一方、団体に負担をかけないような提案であることも大切だと考えました。そこで、複数の提案を行いながら、地元企業や大学とも直接交渉を重ね、最終的に団体設立30周年を記念した特別仕様のギフト包装紙+シールを区内のデザイナーに依頼することになりました。プロボノ参加者たちが、団体の理念や体制状況を理解し寄り添ったことで、受入団体と参加者双方が納得する提案にまとめることができました。

3つめのプロボノ先団体「NPO法人スペースナナ」は、コロナ禍で減少したコミュニティカフェの収入を増やしたいという課題を提示。その裏には、単に資金不足に悩んでいるだけでなく、運営の担い手を増やしたいという理由がありました。プロボノ参加者たちは、活動を始めてすぐにスペースナナの事務局や利用者へのインタビューを実施し、法人活動の“きっかけ“や“想い”を聞き取りました。そしてその“想い”を言語化・見える化することで、コミュニティカフェのPR活動にもつなげようとLINE公式アカウントの作成やホームページの改修など、今の時代に合わせた活動の発信方法を提案しました。今回の活動を通じて、元々スペースナナの利用者だった2人の方が事務局に加入するという、思いがけない成果が生まれることにもつながりました。

また、2023年3月5日(日)には、2020年からの3年間、青葉区内の9つの団体において活動を実施してきたプロボノ活動を振り返りながら地域のことや地域団体について知っていただく機会として、「プロボノがつくる青葉区の人とまちのつながり~次世代郊外まちづくり「プロボノ実践講座」3か年を振り返って~」を青葉区役所で開催しました。

冒頭に事務局からプロボノについての概要説明が行われ、前半のプログラムとして、3か年でプロボノの受入先として参加された4つの地域団体によるトークセッションを行いました。プロボノを受け入れる際の不安や期待、そして実際にプロボノを受け入れたことによって起こった変化などをお話しいただきました。
後半のプログラムでは、3か年でプロボノに参加した6人の方によるトークセッションを実施。プロボノをしようと思ったきっかけやプロボノの感想、参加後の自分の仕事や生活への影響などをお話しいただきました。会の終わりには、参加者同士での交流が生まれ、横のつながりが広がる機会となりました。

参加された皆さんは、はじめは地域団体がどんな活動をしているか知らないという方がほとんどでしたが、プロボノ活動を通して団体の内側に入ることで、それぞれの団体が地域のために実施している活動の実態を知り、次第に自分事としてその団体の“想い”のために活動していく変化が見られました。それと同時に、プロボノを受け入れた側の地域団体も、このプロボノの取り組みをきっかけに活動の幅を広げたり、地域内でのつながりを増やしたりするなど、団体としての更なる成長が伺えました。

田園都市で暮らす、働くプロジェクトの今年度の取り組みである「プロボノ実践講座」、そしてこれまでのプロボノ活動の3か年を振り返るイベントの実施を通して、参加した皆さんが地域のために活動している団体や企業がたくさんいることを実感していただけたと同時に、地域のために自身は何ができるのか、何をしたいのかを、一人ひとりが考えるきっかけになれた活動であったと感じました。

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