イベントレポート
2024.03.13(水)
「ゼロカーボンセミナー たまプラ大学 特別講義」を開催しました(12月8日 桐蔭横浜大学)
「脱炭素社会を目指すペロブスカイト太陽電池の社会実装への道のり」
桐蔭横浜大学 池上和志教授
【講義内容(一部抜粋)】
池上教授が所属する宮坂研究室では、ペロブスカイト太陽電池の研究と開発に取り組んでいます。ペロブスカイト太陽電池とは、当研究室で発明された次世代型太陽電池です。
日本のエネルギーは、自給率が10数%と先進国と比較し低いことから、省エネルギーに取り組んでいくことが必要になります。日本の平地ではシリコンの太陽電池が高密度で設置されており、今後は高効率の太陽電池の開発が期待されています。
一方、シリコンの太陽電池は、雨の日は発電量が少なくなることや、屋外でしか発電できないというデメリットがあります。そのような中で開発されたのが、ペロブスカイト太陽電池です。
ペロブスカイト太陽電池は、屋内でも十分な発電が可能なほか、厚みがなく曲げられるため、柔らかいものにでも設置できるというメリットがあります。
例として、住宅の窓や壁、車の屋根、気球膜上が考えられており、様々な場所での発電が期待されています。
課題は、ペロブスカイト太陽電池を1枚作るのに、時間がかかるということや、薄いが均一に広げることができないということ、耐久性に問題があることなどが挙げられます。今後は、高効率で高耐久を持ち合わせたペロブスカイト太陽電池モジュールの開発を検討していきます。
【グループディスカッション】
「講義を聴いて気づいたこと」「講義で挙げた例の他にペロブスカイトにはどのような用途があるか」「自分たちにもできる脱炭素化への取り組みはなんだろう」というテーマ」について、参加者に話し合ってもらいました。「ペロブスカイト太陽電池を作るための材料はどこで取れるか」や「特許を取っていないとのことだが、他国でも開発されているのか」など、教授に向けた質問が多く見られました。