イベントレポート

2015.09.29(火)

「次世代郊外まちづくりフォーラム」を開催しました

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2015年8月23日、青葉公会堂にて「次世代郊外まちづくりフォーラム」が開催されました。

このフォーラムは、2012年4月に交わされた「次世代郊外まちづくり」の推進に関する協定から3年経過し、次世代郊外まちづくりのこれまでの取組みの成果と今後の推進方針について多くの方々と共有し、今後さらなる共創を図ろうと、企画されたものです。

スタッフや関係者の手によって準備開始

会場には、朝から横浜市や東急電鉄のスタッフが大勢集まり、準備を始めました。ステージでは音響や照明の調整のあと、司会進行やロールプレイのリハーサルが入念に行われました。ロビーでは受付ブースが着々とつくられ、背面の壁にはフォーラムのポスターがずらりと貼られています。いつにない関係者の多さや会場の広さに、かすかな緊張感も漂っていました。

ロビーの奥では、住民創発プロジェクトの中から「美しが丘カフェ」「三丁目カフェ」「株式会社たまプラーザぶんぶん電力」「あおばフレンズ」の4団体が活動紹介の展示やその他の団体もそれぞれチラシの配架などを行いました。展示パネルづくりもみなさん、もう手慣れたもの。写真をふんだんに使い、資料を駆使した見やすい展示が用意されていました。

2012年7月に開催された「次世代郊外まちづくり キックオフフォーラム」で住民代表として登壇して以来、さまざまな形で次世代郊外まちづくりに関わる「美しが丘カフェ」の関哉子さんは「住民創発プロジェクトに参加したことで、今まで知り合う機会のなかった人たちとたくさん出会えたことが大きかった」とこれまでの3年間の印象的なできごととして“出会い”を上げてくださいました。

「三丁目カフェ」オーナーの大野承さんは「汗と涙と苦労の3年間でした」と振り返ります。

「もともと小さなプレハブを建てて、散歩している高齢者や犬連れの方にちょっと休んでいただくスペースをつくろう、というぐらいの企画でした。それが次世代郊外まちづくりが始まって、あれよあれよというまに数倍のスケールのものをやり始めてしまいました(笑)。まだまだ経営は大変ですが、イベントなどで利用していただくとみなさん本当に楽しそうにしていますから、それが励みになって頑張っています」

こうしたお話を伺うと、次世代郊外まちづくりによって、ご自身のまちづくりへの関わり方が大きく変わった方もいらっしゃるのだと改めて実感します。節目の場ということで、これまで関わってきた方々は、みな一様に、とても感慨深い様子でした。

席がほぼ埋まり、賑わう会場

12時に開場すると、続々と人が集まってきました。500人以上が収容できる広い会場でしたが、開演前には早くも大半の席が埋まり、地域住民の皆さんの関心の高さが伺えます。

フォーラムは13時、定刻どおりに始まりました。まず始めに横浜市の鈴木伸哉副市長から、「こんなにたくさんの方々にお集まりいただき、まちづくりというテーマに対するみなさんの関心の高さを改めて感じています。その思いは我々、行政もまったく同じです。」と、主催者代表挨拶がありました。

続いての第一部は、東京大学高齢社会総合研究機構・環境未来都市推進ボードの秋山弘子特任教授と鈴木伸哉副市長のトークセッションです。次世代郊外まちづくりではお馴染みの、東京大学まちづくり研究室・小泉秀樹教授にモデレーターを務めていただきました。

トークセッションから見えてくる次世代郊外まちづくりの可能性

まず、自己紹介を兼ねて、それぞれが次世代郊外まちづくりとどういう関わりがあるのかを説明がありました。

鈴木
横浜市は高度成長時代に急激に人口が増えました。そのときにまとまって開発された郊外住宅地が、ここにきていろいろな課題を抱えています。そこで、4つのモデル地区を選定して、それぞれの地区に合ったまちづくりを考えていこうと取り組んでいます。次世代郊外まちづくりもその中のひとつです。

秋山
私は内閣府が進め、横浜市が選定された環境未来都市の推進ボードとして、こちらの取組みに関わっております。日本は、人生50年、60年という時代から、急激に人生90年の時代になってきました。今のまちは人生90年を生きていくニーズには対応していません。内閣府としても、2050年ぐらいを展望して、子どもも、働いている人も、高齢者も、健康でいきいきと安心して過ごせるまちをつくろうと考え、環境未来都市が立ち上がりました。今日は、これまでの取組み成果について報告していただけるとのことで、楽しみにしております。

小泉
私は、モデル地区でコミュニティリビング・モデルに実践的に取り組むにあたり、全体の進め方を横浜市、東急電鉄さんらと一緒に考えています。

横浜の郊外住宅地が抱える課題を改めて共有

次に、横浜市の郊外住宅地が抱える課題を改めて共有しました。

鈴木
たとえば、青葉区で見ると、在宅看取りの数は現状と比べて3.5倍になります。2050年には、築40年以上の住宅が15倍になります。さらには、都市全体のインフラが老朽化し、全体の7割ぐらいが築40年以上ということになります。また、高齢者が増えていけば交通も考えていかなければいけません。コミュニティをどう考えるかといった課題もあります。それをトータルで考えていく必要があるというのが、郊外住宅地の課題ではないかと思います。

秋山
1950年ごろは、65歳以上の人口は約5%でしたが、現在は26%まで急増しています。さらに2030年には75歳以上の人口が5人に1人という状況がやってきます。そのうえ、半数がひとり暮らしになると推計しています。高齢期にもいろいろなフェーズがありますが、どんなフェーズにあっても、同じように医療機関に通えたり、買い物に行ったり、友人を訪ねていけるような代替の交通機関をどのように提供できるかを今のうちに考えていく必要があると思います。

単機能のまちから、多様なライフデザインができる多機能のまちへ

そこで、こうした課題に次世代郊外まちづくりはどう対応しているのか、そのモデル性や取組みの先進性を伺いました。鈴木副市長は、行政として、実際に次世代郊外まちづくりに携わってきた視点からこう分析します。

鈴木
まちづくりは、ひとつの課題だけではなく、そのエリアが抱えている課題を総合的に捉えながら、産学官民が連携し、パッケージとして取り組んでいかなければなりません。これはまさに今、次世代郊外まちづくりがたまプラーザで行なっている取組みだと思います。次世代郊外まちづくりでは時間をかけて基本構想をつくりました。基本構想とは、つまり将来像のことです。そして将来像を実現しようとしたときに、使いにくい制度が出てきたら、場合によって新しい仕組みを作り、制度を変えていく。みなさんが活動しやすい環境をつくっていき、地域や企業のみなさんに自由に動いていただく。そういう流れができてくると、地域の魅力が高まることになるのだと思っています。

秋山
まちづくりを進め、それを長続きさせていくためには、夢を共有することがいちばん大切なことだと思います。高齢者はこれからどんどん増えていきます。でも、元気な高齢者が増える分には、大きな問題にはなりませんよね。たとえば75歳ぐらいまで、みんながなんらかの形で生産活動に従事すれば、高度経済成長期の頃の労働力を充分担保できる、とも言われています。そして老いても安心して快適に生活できる環境を整えるのは基本的なことだと思います。かつて定年後は余生でしたが、今はセカンドライフという考え方が定着しています。これからのまちづくりは、多様なライフデザインを実現できるまちであること。単純化して言えば、ベッドタウンのような単機能のまちから多機能のまちへいかに作り替えていくかということですね。

東京大学では昨年、現在50代の次世代高齢者に“高齢期となったとき何をしていると思うか”というアンケート調査を行いました。すると、8割の人が「働いている」と答えました。2番目に多かったのが「自分を磨く(学び)」という答えでした。これは、還暦を迎えたらあとは余生だ、という人生60年の時代にはなかった発想です。働いて、自分を磨く。人生90年あれば、還暦後にもうひとつのキャリアを始めることも充分可能なのです。そういうことができるコミュニティをつくっていくことが、今後のまちづくりには求められています。

国際的に見ても画期的な行政と企業の対等性

次世代郊外まちづくりのもうひとつの特徴的な点は、横浜市と東急電鉄、それ他の企業、住民、NPOなどの連携が進んでいることです。

秋山
全国に11ある環境未来都市の中でも横浜市はエネルギーの問題など、多方面で新規性のある取組みを進めていることで知られています。なかでも私がいちばん注目しているのが、行政と民間企業との新しい関わり方をつくられたところです。今まではまず行政が都市計画をつくって地域住民や民間企業に伝えていく方法でした。しかし次世代郊外まちづくりでは、最初から行政民間企業が対等な立場で一緒にまちの構想を練っています。これは、国際的に見ても非常に画期的なことで、環境未来都市の国際フォーラムでもご報告していただきました。

鈴木
単体で解決できる課題が減っている今、横断的に議論をしていかないと答えが見つけられないということだと思います。次世代郊外まちづくりはそのきっかけ、起爆剤になっていけばいいですね。いずれにしても産学官民の連携は今後、欠くことのできない要素です。

生活者目線の取組みが、地域への思いが沸き上がるきっかけに

さらに、横浜市のすばらしい点は、行政と民間企業に加え、生活者(住民)も主体的にプロジェクトに参画している点だと、秋山教授。

秋山
生活者は交通も水道も全部ひとつの課題として捉えている。ところが行政や企業は個別に対応しますよね。住民のアイデアやニーズがそれを統合していくんです。

小泉
私も、横浜市の担当者が市役所内の様々な関連部署に住民の声を伝え、調整し、実現しようと働きかけている点は非常にすばらしいと思っています。民間企業である東急電鉄も積極的に地域に入り、住民の声に応える形でさまざまな事業を展開しようとしています。そうやってトータルな地域の声に応えながら、共につくりあげていく取組みに、次世代郊外まちづくりの先進性やモデル性があるのではないかと思います。そういった取組みが郊外住宅地の再生にどう結びついていくのでしょうか?

鈴木
いちばん大事なのは、そこに関わるすべての人たちが“変えていこう!”という強い思いをもっていることだと思います。関係者の思いや情熱がひとつでも欠けてしまうとうまくいきません。逆に我々としては、地域の方々がそういう思いになれるように、サポートしていかなければいけないと思っています。モデル地区では、住民の方々に地域の課題に主体的に取り組んでいただく「住民創発プロジェクト」を実施しました。それをきっかけにして、地域に対する熱い思いをもっていただけるのではないかという狙いもありました。

住民創発プロジェクトの中に、まちなかパフォーマンスをやる団体があります。その活動に参加された住民の方に感想を伺ったところ 「参加することで、初めてこの地域に自分が住んでいると実感できた。この地域をより良くしたいということを考えるようになった」という言葉が返ってきたのが印象的だったと話すのは、モデレーターの小泉教授。住民創発プロジェクトは、地域に対する思いが沸き上がるきっかけに、実際になっているのです。

1ヶ月に1時間、自分が住んでいるまちのために働いてみる

秋山教授は 、既成市街地でのまちづくりやコミュニティの醸成のためには“仕掛け”も必要だと言葉を継ぎました。

秋山
私が提案しているのは、小学生から90歳のお年寄りまで、1ヶ月に1時間、自分が住んでいるまちのために働くことです。たとえば中学生が学校に行くときに、毎日、ひとり暮らしの高齢者の方の玄関口で“おはようございます!”と大きな声で挨拶して、帰りには“帰りました!”と声を掛ける。するとそれだけで、自分のまちにどういう課題があるのか、自分に何ができるのかが見えてくるんです。そういう感覚を子どものときから育んでいくと、自然と社会とのつながりができます。そうしたらリタイアしたからすることがない、行くところがない、話す人がいない、なんてことにはならないんですね。

次世代郊外まちづくりでも、中学生がまちづくりの専門家に話を聞いたり、地域で活動している方にインタビューする取組みを実施しています。どういう思いをもってやっているのかを学ぶことで、地域への愛着=シビックプライドをを考えるきっかけを提供し、次世代のまちづくりの担い手を育てているのです。

先進的なまちづくりの記録を残す大切さ

最後に、モデル地区での成果を他地区にどの様に展開していくのか小泉教授が伺いました。

鈴木
横浜市は本当に広くて、それぞれの地域ごとに異なる事情を抱えています。ですから、ひとつの答えがすべての地域に通用することにはならないかもしれません。しかし成果については絶えず情報発信して、ほかの地域の方々にお伝えする。それを元にみなさんがそれぞれの地域のことを考えるきっかけをつくっていけたらいいなと思っています。

秋山
もちろんそれぞれのまちによって条件は違いますが、やはり下敷きになるモデル事例があることはとても大切です。日本の人口動態は急速に変わっているため、日本中どのまちでも早くまちづくりをやりたいと思っています。でもどうやっていいかわからないという自治体が多いのです。私は、活動の記録をとっておいていただきたいなと思います。うまくいったことだけでなく、うまくいかなかったことも記録しておいてください。私たちはまちづくりの記録をアーカイブして情報共有するリソースセンターをつくろうと考えています。そういうところにもぜひ貢献していただきたいですね。期待しています。

現代社会のさまざまな課題、そしてその解決を目指すうえでの次世代郊外まちづくりの有用性が改めて感じられたトークセッションでした。

地域包括ケアシステム「あおばモデル」を知る

休憩を挟んで第二部は、在宅医療・介護の関係者によるロールプレイ「自宅生活応援団! 医療と介護のつながり」です。次世代郊外まちづくりのリーディング・プロジェクトとして進められている、在宅医療・介護連携を軸とした地域包括ケアシステム「あおばモデル」は、青葉区内の多くの医療と介護の関係者が連携を図り、地域包括ケアシステムの構築を目指しています。住民の方々の注目度も非常に高いプロジェクトです。

まず初めに、横浜市の医療・介護の現状と、現在青葉区が進めている在宅医療・介護連携のあおばモデルについて、勝島青葉福祉保健センター長よりスライドを使って説明がありました。その後、実際にあおばモデル構築にかかわっている医療・介護関係者が、事例を基にしたロールプレイ方式で、医療・介護連携システムの一例をわかりやすく示してくださいました。

登場人物は、ケアマネージャー、訪問リハビリ、訪問看護師、訪問診療医、薬剤師、歯科医師、本人、家族、病院医師、地域包括支援センター、ヘルパー、デイサービスの12名。途中、主人公が倒れてしまったシーンでは、本物の救急救命士も出演するなど、臨場感あふれる本格的なロールプレイに仕上がっていて、観客を楽しませてくれました。

「あおばモデル」をロールプレイで体感!

事例は、横浜市青葉区にひとりでお住まいの84歳の男性。急な頭痛とめまいに襲われ、救急搬送。脳梗塞と診断され、体の左側に軽度の麻痺が残りました。そこで地域包括支援センターを通じて介護保険の申請をした結果、要支援2の判定が出ました。退院に向けて関係者で話し合いをする退院前カンファレンスを開催します。入院の経過と今後の治療の見通し、必要なリハリビテーション、ご本人・ご家族の希望を伺い、地域包括支援センターが仮のケアプランを作成。このケアプランを基に、実際に医療・介護のサービスを提供する担当者が集まり、自宅でサービス担当者会議を行います。

その後、順調に自宅での生活が始まって男性にも笑顔が戻ってきましたが、2ヶ月後の夏のこと。男性は熱中症で意識が朦朧とした状態になり、ヘルパーさんが119番通報する事態となりました。しばらく入院した後、病状も回復して退院が決まりましたが、日常生活能力の低下が見られました。そこで介護認定の見直し申請を行うと、要介護2の判定が出ました。

要介護のケアプランの作成は地域包括支援センターではなく、ケアマネージャーが行うことになります。病院への通院は難しそうですが、本人は引き続き自宅での生活を希望し、ご家族もできるだけ本人の希望に沿うようにしてもらいたいとのことでした。訪問診療の必要も出てくるため、関係者が病院に集まって会議をし、今後のケアプランについて綿密な打ち合わせを行います。

このように地域の医療・介護関係者が連携することによって、要介護状態となっても、それに見合ったケアプランを作成、実行していけば、住み慣れた自宅で生活することができるのです。

とてもわかりやすくまとめられていて、お話が終わる頃には、これが実現すれば在宅医療・介護に対する不安もなくなるのでは、という期待を抱くことができました。

横浜市の動画ポータルサイト「横浜チャンネル」でご覧いただけます。
※動画は約38分あります。

3年間の取組みを振り返る

再び10分間の休憩を挟んで、第三部は「次世代へつながる、新しい郊外のまちづくり」と題して、次世代郊外まちづくりの3年間の活動を振り返りました。発表者は横浜市建築局住宅部・住宅再生担当の大塚宏部長です。

まず、2012年4月に横浜市と東急電鉄が協定を結んだあと、これまで3年間に実施された、次世代郊外まちづくりの活動実績について報告がありました。たまプラーザの美しが丘エリアをモデル地区として選定し、全5回のまちづくりワークショップの開催、まちづくりについて学ぶ8回のたまプラ大学、住民創発プロジェクトの実施、子ども・子育てタウンミーティングの開催、家庭の省エネプロジェクトの実施など、改めてこれまでの取組成果を聞いていると、じつにたくさんの活動に取り組んでいたことに驚きました。そしてそのすべてが、医療や介護、子育てやコミュニティ再生など、生活者目線の取組みであることが特徴的でした。

また、スマートコミュニティ部会、医療・介護連携の地域包括ケアシステム部会、暮らしと住まい再生部会など、専門家や企業が参加する各部会が課題解決に向けて活動していて、産学官民の取組みが進んでいることがわかりました。

大規模な企業社宅跡地の建て替え計画を発表

さらに、今後の展開として、モデル地区内の企業社宅跡地の開発が計画されていることが発表されました。その計画は、単なる共同住宅開発ではなく、次世代郊外まちづくりのリーディング・プロジェクトでもある、コミュニティリビングの実現を目指していくとのこと。暮らすだけのまちではなく、働いたり、自由な活動ができるまちにしていくために、交流拠点として地域に必要な機能を検討し、誘導していきます。広場などの公共空間を整備して、地域に貢献する度合いを評価し、それによって一定の規制を緩和する施策なども検討されているそうです。

その他にも、新築や改修の際に、まちに貢献する性能をおすすめするために、次世代郊外まちづくり独自の建築性能推奨指針をつくっているとのことでした。

「リーディング・プロジェクトを中心に今後も積み重ねながら、具体的に新たな仕組みを生み出して、横浜型モデルの構築に繋げていきたいと考えています。」と大塚部長。

最後に青葉区の小池恭一区長から「青葉区を持続可能で、子どもから高齢者までがバランスよく住み、活力のあるまちにしていきたいと思っています。引き続きご支援、ご助言のほど、よろしくお願いします。」と閉会挨拶があり、大きな拍手でフォーラムは幕を閉じました。

折り返し点を迎えた関係者の思いは…。

終了後、関係者の方々にコメントをいただきました。どの方も、それぞれに思いをもち、この日を迎えたことが伺えました。

「今回初めてモデル地区を飛び出して、いろいろな方にお話を聞いていただけたということは、非常に有意義だったと思います。秋山先生も仰っていたとおり、これを機会に、成功も失敗もきちんと分析し、ほかの地域の方々に、産学官民が連携して取組みを進めていこうという機運が高まってほしいと期待しています。また、この取組みをほかの地域にも展開していくことは、昨年制定した横浜市中期4か年計画でも定めています。モデル地区での取組みを続けていくとともに、他地域にも、しっかりと横展開していきたいと思います。(横浜市建築局・大友課長)」

「これまで、医療と介護従事者の連携と顔の見える場づくりという大きなテーマに取り組んできましたが、ロールプレイをご覧いただいたとおり、実際にそれが動き始めています。それを見て、今日はひとつの目的を達したなと感慨深かったですね。これからは、実際にこのモデルを青葉区全域に拡げていって、地域の方々に使っていただくというのが非常に大切なことだと思います。 (横浜市青葉区 医療・介護連携の地域包括ケアシステム推進部会 部会長 西川医師)

「今まではビジョンづくりや地域の皆さんに参加頂くことに時間をかけてきましたが、これからは、企業社宅跡地を使ってのコミュニティリビング・プロジェクトも始まります。最近、いろいろな方に現地を視察したいと要望頂いていますが、これまではソフトを中心にやってきたので、現地には次世代郊外まちづくりの具体的な形はまだ見えていません。これからは目に見えるハードも手がけて、次世代郊外まちづくりは着実に動いている、こういう方向性だということを、より多くの人に体感していただけるようにし、世界に発信できるプロジェクトとして推進していきたいと思います。(東急電鉄・東浦統括部長)」

過去を振り返り、改めて未来へ!

3年間の取組みで、さまざまな分野のさまざまな計画が形になり、今も具体的に進められようとしています。その成果を、こうして一挙に振り返ってみると、これはまさに種まきのような時期だったのだと痛感しました。すでにその多くが芽を出し、すくすくと成長を始めています。

蒔かれた種がどのように花開き、新たな場所へと種を運んでいくのか。こうしてこれまでを振り返ることで、むしろ未来の可能性へと意識が向いていく結果となった、新たな出発の1日でした。
 

参加者の感想

Y.Tさん(40代/男性)
まちづくり関係の仕事をしています。横浜市と東急が一緒にプロジェクトを立ち上げていることは知っていて、どういうふうに展開しているのかを知りたくてきました。お話を聞いて、これからの官民連携のひとつのモデルだと思いました。これまでは官民連携といっても、行政指導の枠を越えていませんでしたが、これは本当に連携してやっています。今後の展開が楽しみですね。

K.Uさん(60代/男性)
第二部のロールプレイを見たくてきました。私の周りの席でも「そういうことか」と声を出している人がいましたよ。今日は概論でしたけど、もっとデータを示して、具体的にどうしていくのか、明確なアウトプットを出していってもらいたいと思います。期待しています。

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